この庭は、中国山脈に近い奥出雲の南部斐伊川の上流にあたる奥出雲町横田卜蔵家旧宅跡にあります。
かつてこの辺りは、砂鉄がよく採れ、製鉄が盛んであり、ト蔵家もこの地方では有数の鈩製鉄業者で郡役人も勤めました。このような郡役人は名家で声望のある家格の数件に限られていました。そしてこの地方では、鉄師あるいは中世以来の武家出身の豪族が勤めていたのです。
卜蔵家は鉄師として絲原家、櫻井家等諸家と共に優遇され、しかも中世以来の豪族であったからその経済力ははかり知れないものがあったと言われています。そしてこの庭園は、松江藩との繋がりにより、卜蔵家が関西地方から庭師(小堀遠州の弟子)を招き、元禄四年(1691)五代将軍綱吉の頃、約300年前に作庭したものと伝えられています。
庭園内にはお食事処「椿庵」があります。献立は、奥出雲町内で採れた安心安全な山野菜を使用し、旬を味わうことができます。深山の季節の味を移り変わる風情とともにお楽しみ下さい。手打ちそばや季節の山野草などの奥出雲食材を様々な料理法や味付けで楽しめます。